貧血は、病気の症状や体の不調を知らせるサインとして表れるものです。
「男性はあまり起こらない」「重い病気ではないので安心」というイメージのある貧血ですが、果たして本当にそうでしょうか。
意外に奥深い貧血について詳しく紹介しましょう。
貧血は身近なトラブルであり、一生のうち一度は経験するといっても過言ではありません。しかし身近であるが故に、わざわざ原因を突き止めなくてもよいと軽視されがちです。
重篤な病気が隠れていると気付かずに放置すると大変なことになるので、原因や症状などの知識を前もって知っておき、予防や改善に役立ててください。
貧血には色々な種類があり、原因もさまざまです。
殆どの人は貧血と聞くと鉄分をイメージしますが、貧血の原因が鉄分不足とは限りません。
欠乏すると貧血を引き起こす栄養素はビタミンB12や葉酸なども挙げられ、また先天的な病気や障害が貧血を生じさせていることもあります。
貧血を改善するには、まず原因を突き止めて貧血のタイプを知ることが大前提となります。
赤血球の90%はヘモグロビンが占めていると言われています。
体の隅々まで十分な酸素を送り届けるためには、ヘモグロビンが欠かせません。
赤血球の減少に伴いヘモグロビン濃度が低下すると、体内が酸素不足の状態になりさまざまな障害が起こります。
めまいや頭痛ほか、下まぶたの裏が色を失っていたりしたら、貧血と考えてよいでしょう。
貧血症状は単なる風邪や疲労と勘違いされることも多いので、おかしいと感じたら早めに病院へ行きましょう。
貧血を調べるためには血液検査が必須です。
赤血球の数やヘモグロビン濃度・ヘマトクリット値は貧血の判断材料となり、またこれらの数値をある公式に当てはめてMCV、MCH、MCHCを算出すると、貧血の種類が何であるか見当をつけることができます。
貧血かどうかは医師でなければ診断できませんが、決してまかせきりにしてはいけません。
どんな検査項目があるのか、それぞれの基準値などを知っておくことも大切です。
貧血の大半は、足りない栄養素を補充するだけで改善されます。
しかし先天性疾患や白血病などの重い病気が原因だった場合、それだけの治療では十分ではありません。
その場合は貧血症状への対処のほか、原因疾患の治療が必要になります。
貧血の治療法といえば、鉄剤の服用や点滴の印象が強いですが、それだけではないのです。
貧血の治療法は多種多様です。
なかには完治不可能のため、対症療法を行うしか手立てがないこともあります。
また、合併症に注意しながら慎重に治療を進めなければいけない事も忘れてはいけません。
病院へ行かなければ治らない貧血ばかりではありません。
食生活の見直しや、食べ物や飲み物に気を付けることで、貧血を解消することもできます。
処方薬をきちんと飲むことも大切ですが、自分で予防や改善の努力をすることも大切です。
またせっかく貧血が治っても、貧血に悪い行為を続けるようであれば意味がありませんので、貧血に良いものと悪いものを正しく知っておきましょう。